中島九七式三号艦上攻撃機 空母蒼龍 Avioni－X 1/144

九七式艦上攻撃機（きゅうななしきかんじょうこうげきき）は、日本海軍の艦上攻撃機。
競争試作された2機種が両方とも採用されたため、この名を持つ飛行機には全く設計の異なる中島製（B5N）と三菱製（B5M）の2種類が存在するが、通常は中島製（B5N）を指す。
略称は九七式艦攻または九七艦攻。アメリカ側のコードネームは、中島製の一号/三号がKate（ケイト）、三菱製の二号がMabel（メイベル）。

商品説明

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艦上攻撃機

艦上機とは、空母の飛行甲板から離陸発艦し、また、直接着艦が可能な航空機を指す。 海洋戦において艦船に対する攻撃は魚雷と爆撃であり、そのうち雷撃を任務とする機種を、日本海軍では「攻撃機」と称した。

世界に名だたる国産機を開発せよ

航空史を紐解けば、ライト兄弟が人類初の飛行に成功したのは1903年。その7年後、代々木練兵場で徳川大尉が日本人初飛行に成功。所沢飛行場にて、日本人設計の初の国産機 会式１号機が飛行した(1911年)。そして、東京帝国大学航空研究所による航研機が、総飛行距離11,651.011Kmの世界記録を樹立する(1938年)。人類初飛行から わずか35年間で、日本の航空機開発は、めざましい発展を遂げる。

海外からの技術導入のため外国人技士による設計に頼み、遅れをとっていた日本独自の航空機開発は、満州事変（1931年）を機に目覚め、急速に日本人設計者による試作開発競争は激しさを増していた。航空戦力の近代化を図る海軍は、次期主力攻撃機の競争試作を中島と三菱に指示。海軍の要求する性能は、現用機の性能を遥かに凌駕するものであった。要求された仕様は、離艦滑走100m以内、最高速180ノット(333km/h)で高度2000mを維持、さらに800Kg魚雷を搭載し、速度135ノット(250km/h)航続4時間という代物である。いわば、世界最高峰の攻撃機を開発せよとの命令である。

これまでに、主力機の開発競争で三菱に度々敗退している中島は、社運をかけた総力戦の構えで勝負に臨む。審査は3か月にも及んだが、海軍は両社の機体を正式に採用。中島製を九七式一号艦上攻撃機、三菱製を九七式二号艦上攻撃機と称した。二号機は、60機を量産したのみであった。

九七式三号艦上攻撃機

中島の開発陣によって、革新的な数々の新機軸を盛り込まれた九七式艦上攻撃機。 日本海軍機初の全金属製モノコック構造、低翼単葉機(翼が胴体底部にあり、主翼が1枚)であり、折りたたみ主翼を採用し、プロペラは全金属製2段可変ピッチ3翅プロペラを使用し、巡航、高速飛行、上昇など各状況に適切に対応しエンジン出力を最大に効率化し、海軍の要求を格段に上回る性能を発揮した。
採用当時の九七式は、上昇力、最大速度でユンカース Jumo 210系列エンジンを搭載するドイツの主力戦闘機 メッサーシュミット Bf 109と肩を並べ、旋回性能では上回る まさに高性能機であった。そして、中島の新型エンジン「栄」を換装し世界に名を轟かせる九七式三号艦上攻撃機が誕生する。

ノモンハン航空戦

日ソ国境紛争であり、日本陸軍とソ連空軍がモンゴルで激突したノモンハン航空戦(1939年)において、ソ連軍の戦闘機I-153やI-16と空戦を行い、旋回性能に非常に優れドッグファイトを得意とした機敏な運動性を武器にソ連軍機を圧倒し続け、壊滅的な打撃を与えた。

特筆すべきは、第11戦隊第1中隊（中隊長島田大尉）のホルステン川空戦でソ連機を36機を撃墜し、日本軍は1機も損失がないという大勝利を成し遂げた。ノモンハン航空戦では、撃墜したソ連機は総計1252機、日本側の損害は120機（爆撃機を含む）と、驚異的な戦果を上げる。ソ連機を20機以上撃墜したエースは23名おり、篠原弘道准尉、井上重俊大尉、西原吾郎軍曹は九七式に搭乗した撃墜王として有名である。九七式はその強さにより世界を震撼せしめた。

トラ・トラ・トラ

太平洋戦争開戦となる日本軍の真珠湾攻撃 (1941年)が成功したことを伝えた かの有名な電信の暗号であり、「ワレ奇襲ニ成功セリ」を意味する。九七式三号艦上攻撃機に搭乗する空襲部隊の総指揮官 淵田美津雄中佐により、第一航空艦隊司令部 旗艦空母「赤城」に向けて発信された。九七式三号艦上攻撃機は、143機が出撃し、魚雷による集中攻撃と爆撃で米太平洋艦隊に大打撃を与え、戦果をあげた。太平洋戦争序盤では空母機動部隊の航空戦力の中核となり、ソロモン、南西太平洋、インド洋と各空母に搭載され転戦した。

空母蒼龍

空母蒼龍は、日本初の本格的空母として開発され、15万馬力の機関を搭載し最大速力は34.9ktと他の艦艇を凌駕し、日本最速の航空母艦であった。第一航空艦隊に配属され(1941年)、12月8日真珠湾攻撃に参加する。空母蒼龍に搭載された九七式艦上攻撃機は、18機編成 （水平爆撃隊10機、雷撃隊8機）。

真珠湾攻撃以降も、空母蒼龍は、九七式艦上攻撃機を艦載しウェーク島攻略、パラオ諸島周辺の南方作戦、セイロン沖海戦などに出撃。ミッドウェー海戦(1942年)にて、南雲機動部隊から蒼龍はミッドウェー島に出撃する。
6月5日、空戦において、米軍機F4Fワイルドキャット戦闘機6機、F2Aバッファロー戦闘機19機の迎撃により蒼龍攻撃隊は全機が被弾し、第一次攻撃隊は帰投する。ドーントレス急降下爆撃機の猛攻撃を受け、蒼龍の中央部艦底にあった魚雷18本が爆発し、格納庫内でも爆弾や燃料の誘爆を起こし甚大な損傷を受ける。こうして蒼龍は、日没と共に沈没する。

戦場から退いた九七式艦上攻撃機は、パイロット養成の訓練機や哨戒機となり、余生を送ることとなった。